木曽駒ヶ岳とは
長野県上松町・木曽町の境界にある標高2,956mの山です。豊かな山脈、美しい展望があり、木曽山脈(中央アルプス)の最高峰。日本百名山のひとつです。
私が木曽駒ヶ岳に惹かれた理由は、2つあります。
ひとつは、標高2,612mの千畳敷カール。書籍、WEB、広告などあらゆる媒体で見かける、千畳敷カールの美しさ。駒ヶ岳ロープウェイで気軽に行ける天空の異世界。
もうひとつは、新田次郎著の「聖職の碑」です。私は、2017年夏山岳遭難ドキュメント文庫を中心に読んでおり、その時に出会った書籍のひとつです。内容は、1913年(大正2年)8月26日から翌日にかけて襲った台風による悪天候に巻き込まれ、木曽駒ヶ岳を登山中の教員・生徒ら38人が遭難、うち11人が将棊頭山付近で死亡した山岳遭難事故をモデルにしたものです。
ショックでした。怖いと思いました。心に強烈に残りました。そして、その道を歩いてみたいとも思いました。
交通手段
聖職の碑の登山ルートである桂小場から、私は歩き始めました。今回の登山メインは、桂小場から将棊頭山です。なので、登山ルートは次の通り。桂小場・・・将棊頭山・・・木曽駒ヶ岳・・・駒ヶ岳ロープウェイ。
往路
桂小場への交通手段が限られており、タクシー、もしくは自家用車です。私はタクシーを利用しました。登山前日までに、伊那タクシーで要予約。JR飯田線伊那市駅から、タクシーで約25分。場所と時間指定をして、効率よくスムーズな登山ライフを。
※伊那タクシー(TEL:0265-76-5111)へお問い合わせください。
復路
下山時には駒ヶ岳ロープウェイを利用し、千畳敷駅からしらび平駅へ。その後、バスを利用し、しらび平駅から駒ヶ岳駅前へ向かい、木曽へ帰宅しました。
駒ヶ岳ロープウェイ料金
千畳敷駅・・・しらび平駅
大人 | 2,540円(往復)/ 1,370円(片道) |
小学生 | 1,260円(往復)/ 680円(片道) |
バス料金
しらび平駅・・・駒ヶ岳駅前
大人 | 2,100円(往復)/ 1,050円(片道) |
小学生 | 1,060円(往復)/ 530円(片道) |
未就学児 | 無料 |
※割引について、他の割引等との併用はできません。
※障がい者割引は、通常運賃の約5割引き。
登山ルート
1日目
桂小場・・・野田場・・・馬返し・・・大樽小屋・・・胸突八丁ノ頭・・・西駒山荘
2日目
西駒山荘・・・濃ヶ池分岐・・・濃ヶ池・・・木曽駒ヶ岳・・・宝剣山荘・・・千畳敷カール・・・駒ヶ岳ロープウェイ
1日目
タクシーを利用し、桂小場登山道に到着です。ここで準備運動をし、出発!
当日は、最初から最後までガスでした。雰囲気はあるね!雨が降りそうだな!少し肌寒いぞ!と思いながら、1日目宿泊予定の西駒山荘へ向かいます。
伊那中学校の落雷事故現場!!なに?なに?
全員回復したんですね!良かったー!
記念碑。
周囲はガスってるし、なんだか急に心細い気持ちになりました。
おとうさん、お母さんに会いたい。会いたいよね。会いたいに決まってる。
なぜ、長野県の子どもたちは、学校行事で登山をするのかな?周囲が山に囲まれているから?教育によいから?
なぜ、私は好んで登山をするのかな?山が好きだから?なぜ山が好きなの?
なぜ、人は山に登るんだろうか?そう思いながら、歩きを再開しました。
道中にある、大樽小屋。
内装はこんな感じです。
便袋もあり、蓋を開けて見てみたい気持もしましたが、やめておきました。
雰囲気ある山小屋が見えました。
西駒山荘に到着です。
西駒山荘の内装は、とてもキレイでした。
西駒山荘の夕食情報です。
1日目は終日ガス、雨も降りそうな天気模様。伊那中学校の落雷事故現場に遭遇し心細くなりましたが、道中にあった植物たちにとても心慰められました。
2日目
西駒山荘の朝食情報です。
早朝の天気状況。微妙だなーと思っていたのですが、
晴天なり!
この美しい青空に、西駒山荘から木曽駒ヶ岳へ向かう尾根は美しく、惚れ惚れしました。
美しさに心奪われ、歩きも軽く、ぐんぐん前に進んだところ、
将棊頭山へ向かう分岐点を、素通りしてしまいました。
将棊頭山は、登山メインなのに…!
引き返して登頂しようかとも思ったのですが、その場合60~90分の時間ロスとなるため、将棊頭山をショートカットしました。
時間の余裕がある登山スケジュールでしたが、予定外の60~90分時間ロスに不安があったためです。下山し、帰宅し、お風呂に入って、お布団で寝るまでが登山なので。
ここで、気持ちを切り替えました!
木曽駒ヶ岳と伊那前岳に集中しよう!濃ヶ池も見てみたいぞ!
濃ヶ池分岐で、濃ヶ池へ向かいます。
これが、濃ヶ池!うんうん!池だ!池だね!
濃ヶ池分岐に戻り、木曽駒ヶ岳へ向かいます。それにしても、美しい尾根です。
道があるから、私もこの美しい世界を歩くことができるんですよね。
誰がこの道を作ったんだろう?整えているんだろう?
美しい尾根をうっとりと歩きながら、木曽駒ヶ岳登頂。
木曽駒ヶ嶽神社で参拝し、ご挨拶をしました。
ここからは道もなだらかで、歩きやすかったです。下山だからでしょうね。
伊那前岳へ向かう尾根は美しいと聞いたので、一度歩いてみたいと思っていました。
伊那前岳山頂。
道中他の登山者が少なく、この美しい尾根をひとり占めしているような気持ちになりました。
千畳敷カールに到着です。
駒ヶ嶽ロープウェイを利用し、帰路へ向かいました。
木曽の御嶽山の日帰りトレッキングも記事にしていますので、こちらもぜひ読んでください。
木曽駒ヶ岳トレッキング日帰りを振り返って
1日目は、小説「聖職の碑」、伊那中学校の落雷事故現場、もしくはガスっている天候の影響か、神妙な気持ちになりましたが、2日目はカラッ!と元気な登山となりました。1日目は趣がありましたが、2日目の美しさも大好きです。
時々、思うことがあります。職業クラシック音楽指揮官、女子大学生も、山に入れば、同じ山屋。山と人間の関係性に還ると。ただの己自身に還ると。しかも、時々、己自身のまま山になる時があります。
時々、思うことがあります。今漫画業界では異世界が流行っています。でも、フィックション物語だけではなく、登山をすればリアル異世界に行けます。今の時代の今の自分自身のまま、異世界に行けます。山に行けば、そこは異世界だと。
山は、美しく恐ろしく、そしてあらゆる生き物を平等にする異世界です。
だから、私は山へ行くのかもしれません。
木曽御嶽を旅する移住生活
今回の登山は、木曽ゆるい移住を通しての他拠点生活の一部です。登山と神社仏閣目的の旅でしたが、私の心に残ったのは現地で出会った方々との出会いと会話。その一部をコミックエッセイで書籍にしました。個人出版です。こちらもぜひ読んでください!